ピンチはチャンスの芽~「対話」を通した組織づくりとは?(3)(心理的安全性)by須賀えり子

ネガティブ発言が出ることが、安心安全の風土

インタビューリーダー達による課内インタビューは、1ヶ月に1回、定期的に行ってまいりました。

 1回くらいのインタビューでは、なかなか情報が出てこないためです。
部下は上司に本音は言えないものです。なぜならば、自分の一言が人事評価に直結すると考えるためです。CCエリコはインタビューリーダー達に、2回目の課内インタビューに向けてある提案をしました。

CCエリコ:「今回の課内インタビューでは、雑談をたっぷりしてください。」

インタビューリーダー達:「え?雑談ですか?それは、仕事に関係のある話しですか?」

CCエリコ:「いえ、全く仕事の話しではなく。例えば、最近気になるSNSの投稿だとか、なんでも良いですよ?ただし、ご自身のお話しは、最初だけです。後は、部下の方の話しを聴いてください。社内で困っていることなど、愚痴が出てきたらOKです。」

インタビューリーダー達:「え?愚痴ですか?残業が多いとか?誰かの悪口とかでも?」

CCエリコ:「はい。そうなのです。愚痴が上司に言えるようになれると、信頼されている証です。ただし、愚痴を愚痴で終わらせないために、更に質の良い質問が出来ることが大事です。」

CCエリコは、その質問の方法をインタビューリーダー達に詳細に伝えました。

キャリア講師

インタビューリーダー達:「なるほど。愚痴は、社内改善の種。と言うことですね?」

CCエリコ:「はい。そうなのです。ただ、愚痴を「愚痴」として聴いてしまうと本当に愚痴のままで終わります。
 そこから、一歩進めて、社内改善の取り組みにしてしまう作戦です。ここでのポイントは質の良い質問力です。重要なことは、上からの指示命令として伝えるのではなく、自分たちで気づけることが重要です。気づきを促すための質問。と言うことになります。
 そして、自分たちで改善しても良いんだ。自分たちで変えて行くことが出来る。と言う意識を持ってもらうことなのです。上からの指示を待っているだけだから、愚痴になる。そうではなく、自分たちで動いてもOK。取り組みをつくることができる。ただ、そこにも重要なポイントがあります。相談や報告などの情報共有です。」

インタビューリーダー達:「確かに・・・・相談もなく、勝手に色々動かれるもの困ります。」

CCエリコ:「はい。そのため、報告、連絡、相談の意識づくりも重要ですね。」

インタビューリーダー達:「なるほど。報告や相談の意識がついてくると、私たちも安心です。」

CCエリコ:「タイミングのルール作りも一緒に進めてまいりましょう。ここは、現場の声をぜひインタビューしてみてください。この質の良い質問力と、気づきを促すための質問。そして、共に取り組むための行動計画。この流れが定着してくると、部課内のコミュニケーションとプロジェクトの進行は、スムーズになってきます。」

インタビューリーダー達:「なるほど・・・・インタビューの質の良い質問や、気づきを促す質問の方法。質問の方法にも種類があると言うことでしょうか?」

CCエリコ:「はい、大きく分けて質問には、2種類あります。オープンクエスチョンとクローズクエスチョン。また、段階に応じて行う質問もあります。この質問の方法は、私たちコンサルタントがインタビューの中で、意図的に行う質問です。目的としては、状況を確認したり、本人でさえも気づいていなかった潜在的な課題を引き出したり、また、その状況を改善しなければ、今のままだとどのような状態に陥るのか?また、解決した後は、どのような良い状態になっているのか?本人が自分自身の腹落ちした気づきを促すための質問です。例えば皆さんは、家族から〇〇をしなさい。と命令的に何かを言われるとどのような感覚が湧いてきますか?」

インタビューリーダー達:「面倒くさいなーーとか、言われなくてもやるよ!!とか思いますね。」

CCエリコ:「そうですよね?でも、自分で考えて決めたことは、如何でしょうか?」

インタビューリーダー達:「自分は、中学の時の部活でバスケをやる。と決めて、それは、辛くてやめたいと思う時期もありましたが、割と続いた方だと思います。」

CCエリコ:「はい。そうですよね。そのように、人が行動できるのは、自分で決めた事柄に対して主体的に動くことができる。そして、〇〇さんがバスケが出来る。と言う新たなリソースを発見することも出来ます。この事が、ご本人の強みの発見にもつながるのです。」

社内インタビュー

今回のPointは?

① 信頼関係を築く傾聴の方法
② 愚痴は一つのバロメーター
③ 愚痴を改善策にする質問力
④ 報告、連絡、相談の重要性

 ともすれば愚痴は、ネガティブな印象を持ちがちですが、愚痴が言えるということは、安心安全の信頼関係が築けている証拠です。いわゆるこの状態が、心理的安全性の土台が出来ているとも言えます。そして、愚痴が改善案としてアウトプットできるようになると、更に一段階ステージアップ出来始めています。心理的安全性とは、ぬるま湯のような優しい場と言うことではなく、ネガティブな情報を安心してアウトプットできる状態だと言えます。これまで潜在的にはびこっていたネガティブな状況が、顕在化されることで、社内(部課内)を改善していくことができるのです。

※ こちらのコラムは、事例を元にしたフィクションです。

(続く ピンチはチャンスの芽~「対話」を通した組織づくりとは?(4)(見える化) 

ピンチはチャンスの芽~「対話」を通した組織づくりとは?(0)(プロローグ)
ピンチはチャンスの芽~「対話」を通した組織づくりとは?(1)(準備) 
ピンチはチャンスの芽~「対話」を通した組織づくりとは?(2)(状況を把握する) 
ピンチはチャンスの芽~「対話」を通した組織づくりとは?(3)(心理的安全性)
ピンチはチャンスの芽~「対話」を通した組織づくりとは?(4)(見える化)
ピンチはチャンスの芽~「対話」を通した組織づくりとは?(5)(実施)
ピンチはチャンスの芽~「対話」を通した組織づくりとは?(6)(評価)
ピンチはチャンスの芽~「対話」を通した組織づくりとは?(7)(継続と定着)

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この記事を書いたキャリアコンサルタント

須賀 えり子
須賀 えり子代表取締役
IT会社の経営に20年間携わっている。
中小企業の人材育成の難しさを体験しつつ、70%あった離職率を8年間0%に。「経営理念」を軸としたワーク型のSUN社員キャリア研修とキャリアカウンセリング。社員の方々、お一人おひとりが持つ潜在的な強みを輝かせ、他者との信頼感の連携をつくり、職場の組織力を高めます。人材育成を通した組織開発はお任せください。

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