新米教育担当アツコ、がんばる! 第11回 「カタチになってきた!かもしれない」by平井厚子

スギモト課長という強力なメンバーを得て、ミオツクシ株式会社のリーダー育成プロジェクトは順調に進んでいます。リーダーに期待される要件を行動に落とし、その行動を習得するための方法まで洗い出しが終わりました。

「そうか、こうしてみると集合教育だけで解決できないっていうことが、とてもよくわかるなあ。」とスギモト課長も感心しきりです。「そうなんです。社員の育成は「合わせ技一本!」で考えていただきたいんですね。」アサクラさんがそう言いました。「え? 合わせ技一本て何ですか?」(柔道みたい)とアツコさんは思いました。

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今回のポイント 「カリキュラムをつくる」

まず用語を確認しておきましょう。

 カリキュラム:一定の教育の目的に合わせて教育内容と学習支援を総合的に計画したもの。(Wikipedia)

 教育内容:教材だけでなく教育目的と教育方法とを包含した概念。(ニッポニカ)

 学習支援:教育課程を効果的に遂行するために整備された総合的な支援体制。履修指導や学生相談、助言体制の整備など。(Weblio辞書)

これらの言葉はもとは学校教育での用語です。企業の人材育成におきかえると、集合研修で扱う内容だけではカリキュラムではないことがわかりますね。

 第9回で「製造計画書が書ける」で洗い出した内容を、カリキュラムとして整理してみます。

順番必要要件必要要件の充足方法分類
製造の全工程を経験している必要な実務経験を満たす。人事異動
ジョブローテーション
「製造計画作成規定」を理解している社内ネットで規定を自習したあと所属プロジェクト以外の製造計画書を10件読み、所定の確認テストに解答して提出する。自己学習
OJT
製造計画書の一部を書く実務で経験させる。OJT
システムのテンプレートへの入力ができる実務で経験させる。OJT

この場合は集合研修よりも、実務経験を積める異動とOJT、自己学習の組み合わせが効果的なことがわかります。つまり、人材育成は集合研修だけでできないとお考えください。人事制度、仕事の指導、自己学習などあらゆる方法と使って、「合わせ技一本」を目指すのです。

 「リーダーの育成」という課題に対して、いきなり集合研修を組みはじめたり、外部の研修会社に見積もりを依頼したりしていては、真の解決策にはならないのです。

 外部研修会社を選ぶ際にRFP(提案依頼書)を作成しますが、そのまえにカリキュラムを明らかにして、「どの部分を集合研修でおさえるのか」を明確にしておかないと、研修効果はあがりません。

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「製造計画書が書けないなら、「製造計画書の書き方」っていう研修をやればいいんだと思ってた。違うんだ。でもこれ全部ブレークダウンするのもたいへん。私、そこまで現場の仕事知らないし。。。」

「そこはスギモト課長に助けていただきましょう。」

アサクラさんはにっこり笑って、アツコさんに言いました。スギモト課長も大きくうなずきました。

     (続く)

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この記事を書いたキャリアコンサルタント

平井 厚子
平井 厚子
IT企業で25年人材育成に取り組んできました。その後就職支援で現実の労働市場に直面して視野を広げ、会社側の視点と労働者側の視点とニーズの両方を肌で感じて自分の中に取り込めたと思います。
働き方改革は従業員の能力開発、仕事の仕組みの見直しを伴ってこそ、実のあるものになります。ぜひ人材育成の視点からお手伝いさせてください。

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