新米教育担当アツコ、がんばる! 第8回 企画書完成!by 平井厚子
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「で、き、ま、し、た~。」
アツコさんは思わず企画書を両手で掲げて椅子にもたれかかりました。
役員のレビューを受け、ダイモン社長の承認をいただいた企画書です。
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リーダー育成 企画書
1 目的
当社のめざす「容器のワンストップメーカー」を実現し、中期経営計画の売り上げ目標を達成に寄与できるリーダーを育成する。
2 人材像に期待されるパフォーマンス(成果、実績)と行動
以下の項目のうち少なくとも3つを兼ね備えていること。
① 10名程度の部下を預かり、成形・加工・検査・デリバリーまでの製造工程を2~3本並行してマネジメントできる。
・製造計画書が書ける。
・進捗管理ができる。
・工程管理ができる。
・コスト管理ができる。
・品質管理ができる。
・10人程度のプロジェクトマネジメントができる。
・突発事態に対して、適切な対処と上への報告ができる。
② 協力会社様と信頼関係を築き、それぞれの会社の強みを活かして発注依頼できる。
(以下略)
3 育成対象者
入社10年目以上の一般社員で、上司による推薦もしくは自薦。
2023年度に1名以上を管理職に登用できることを目標とする。
4 考慮すべき推進力と抑止力
⑴ 推進力
・リーダー育成が必要なことは、各階層で一致している。
・採用は一定数コンスタントに行ってきたので、対象層の人材は不足していない。
・教育制度の充実に対する希望は各層で強い。
⑵ 抑止力
・管理職になりたくないと思う30歳代社員がいる。
5 育成方法
⑴ 期待される行動がとれるような育成方法を定義する。
⑵ 必要に応じて新たに教育研修コースを立ち上げる。詳細は別途企画して承認を得るが、イージーオーダーのイメージで、内製と外部コンテンツの利用を適宜織り交ぜて実施する。
以上
「さ、これをもとに育成の方法を煮詰めていきましょう。ゆっくりできるのは今日だけね。」
オニのアサクラさんなのでした。
(続く)
この記事を書いたキャリアコンサルタント

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IT企業で25年人材育成に取り組んできました。その後就職支援で現実の労働市場に直面して視野を広げ、会社側の視点と労働者側の視点とニーズの両方を肌で感じて自分の中に取り込めたと思います。
働き方改革は従業員の能力開発、仕事の仕組みの見直しを伴ってこそ、実のあるものになります。ぜひ人材育成の視点からお手伝いさせてください。