新米教育担当アツコ、がんばる! 第5回 「聞く」んじゃなくて「聴く」んですね。by 平井厚子

働き方コラム がんばるアツコ

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タナベ先生の後押しもあって、正式にアサクラさんに教育コンサル業務が発注されました。これからもアサクラさんとタッグを組んで教育に取り組める!、アツコさんは俄然やる気が出てきています。

さて、社内インタビューが始まりました。
アツコさんは、インタビューとは国会の質疑のように質問をくり出して、一問一答で相手が答えてくれるものだと思っていました。

しかしアサクラさんははじめに趣旨とテーマを説明した後は、「どんな感じですか」とか「と言うと?」とか「例えば?」とかの短い言葉をはさみながら「なるほど〜」「素晴らしい!」などと大げさなくらいのリアクションをして、最後に「それについてご意見はありますか」「要望をお聞かせください」などと聞くくらいで、とても質疑応答という感じではありません。

アツコさんは最初のインタビューが終わった後にアサクラさんに尋ねました。「あんな聞き方でいいんですか?   もっとバンバン質問した方がいいんじゃないですか?」

今回のポイント 「教育担当者の要件 ①傾聴力」

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教育企画では関係者にインタビューをして情報を集めることがよくあるのは、前回お伝えしたとおりです。前回は主に「誰に何を聞くか」というコンテンツの面から、計画を立てることを考えました。今回は「どんなふうに聴くか」というプロセスの面をとりあげます。

「どんなふうに聴くか」の答えは、当然ですが「相手の話をよく聴く」ことです。そのためには「積極的傾聴(Active Listening)」を学ぶのがよいでしょう。

カール・ロジャーズ(Carl Rogers)によって提唱された積極的傾聴では、聴く側の3要素として、以下をあげています。

①共感的理解
聴き手が相手の話を聴くときに、相手の立場になって相手の気持ちに共感しながら聴くことです。

②無条件の肯定的関心
相手の話の内容が、たとえ反社会的な内容であっても、初めから否定することなく、なぜそのようなことを考えるようになったのか関心を持って聴くことです。

③自己一致
聴く側も自分の気持ちを大切にし、もし相手の話の内容にわからないところがあれば、そのままにせず聴きなおして内容を確かめ、相手に対しても自分に対しても真摯な態度で聴くことです。

(厚生労働省「こころの耳」から引用、改変。)

私自身は、インタビューに限らず相談や雑談の時も、「この方にはそう見えている」「この方にはそれが事実なのだ」という考えで、いったん相手の話を受容することを心がけています。そうすることで、相手が安心してくださり、信頼関係ができると考えています。

積極的傾聴には「あいづち」「繰り返し」「言い換え」などの技法があります。これらを学ぶ機会もたくさんありますので、ぜひ一度体験してみてくたさい。

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(確かに国会の質疑は議論と言うよりバトルだもんなあ。あれで問題が解決するとは思えんなあ。関係もよくはならないよなあ。。)と、アツコさんは納得しました。

インターネットで検索してみると、積極的傾聴についての記事は多く、基本的な技法についてもいくつか見つけることができました。

「私、アサクラさんのやり方見て、傾聴の勉強します!」
「あら、それはプレッシャーだわ(笑)。私もがんばらないと。」
アツコさんは教育担当者の仕事に、だんだん興味がでてきました。

第6回へ続く

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この記事を書いたキャリアコンサルタント

平井 厚子
平井 厚子
IT企業で25年人材育成に取り組んできました。その後就職支援で現実の労働市場に直面して視野を広げ、会社側の視点と労働者側の視点とニーズの両方を肌で感じて自分の中に取り込めたと思います。
働き方改革は従業員の能力開発、仕事の仕組みの見直しを伴ってこそ、実のあるものになります。ぜひ人材育成の視点からお手伝いさせてください。

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